このあいだ、ワインを飲もうと押し入れから出したら
液体が漏れ出していました。
もうこのワインは飲めないのでしょうか。
料理酒行きでしょうか。
ボクならコーラで割ってポテトチップスですね。
ワインは醸造酒ですから温度管理は大事ですね。
今回はワインに関しての状態不良について
なぜ起きたかの原因と対処法について
解説していきます。
ワインの保管方法わかんないですー!!
って方はこちら!!
醸造酒??なんだっけそれ!!
って方はこちら!!
この記事を見たら以下のことがわかりますよ!!
本記事の内容
- ワインの状態不良の原因や対応がわかる
この記事を書いている僕は、
バーテンダーとソムリエ歴は9年目です。
いま現在もソムリエ協会に
所属しているため情報は確かです。
ワインはデリケートすぎて買うの怖いよー!
って方はぜひこの記事をご覧ください。
*記事は3分くらいで読み終わります。
深堀りした解説とかは関連記事として貼っておきます。
知っておきたいワインの状態不良の原因と対応
次の5つの状況に分けて解説していきます。
- 液漏れや吹きこぼれたワイン
- ブショネ(コルク臭)
- 熱劣化
- 飲み頃のピークを過ぎたワイン
- 状態不良ではないけど見つけたらビックリするもの
それでは一つずつ解説していきましょう。
液漏れや吹きこぼれたワイン
原因
高温な場所で保存したことが原因。
瓶内の温度が上昇すると、、、
- 中の液体や空気が膨張
- 酵母が残っていた場合に
再発酵が起こったりする
これらにより
内圧でコルクが押し上げられる。
その際、すき間からワインがこぼれだし
液漏れとなる。
また、急激な温度変化が原因でも
起きる場合がある。
液漏れにより、瓶とコルクの間に
すき間ができたことで新しい空気が入り
時間の経過とともに思わぬ酸化が進む。
状況
- キャップシールの周りにこぼれた跡と
べたつき、ワインのにおいがある。 - キャップシールを開けたときに
ワインがコルクの外側ににじみ出ている。 - こぼれたため液面が低くなって目減りしている。
対応
酸化が進んでいなければ飲める場合もあるので
見つけたら早めに飲む。
原因が販売店側にあるような場合は
交換依頼が可能。
確認のためにボトルとコルクの返送を
求められる場合があるので、保管しておく。
ブショネ(コルク臭)
原因
コルクについたバクテリアが原因。
ワインにも悪臭が移ってしまった状態。
5%程度の確率で起こりえるといわれている。
状態
抜栓したコルクのニオイをかいで
わかる場合があるのでまずはそれを確認する。
正常なワインのコルクからは
ワインの香りがするのに対し
コルクのニオイしか感じられない場合は要注意。
濡れた段ボールや雑巾といった
不快なニオイと味わいがあり
本来のおいしい味わいを楽しむことができない。
対応
レストランではその場でお店の人と
確認を取って交換を依頼する。
お店で購入した場合も
交換の対応をしてくれるケースが多いので
相談をする。
確認のためにボトルとコルクの返送を
求められる場合があるので、保管しておく。
熱劣化
原因
ワインの輸送中や保存中に
高温や温度変化によるダメージで生じた
化学変化によって、酸化が進んでしまった状態。
状態
ワインが本来持つポテンシャルを発揮できない。
- 果実味がなくなっている
- 枯れた風味
- バランスの悪い
上記のようなワインとなる。
対応
ブショネのときと同様に
レストランスタッフやお店の人に
相談をして取り換えてもらう。
飲み頃のピークを過ぎたワイン
原因
熟成が進みすぎてしまい
飲み頃を逃してしまったもの。
状態
ワインの本来のポテンシャルがなくなってしまう
- 良い香りや果実味がなくなる
- アルコールが飛んでしまう
- お酢のように酸が強くなる
- バランスが悪くなる
上記のようなワインとなる。
対応
正確な飲み頃は誰にもわからないので
これも勉強だと思って飲んでみる。
状態不良ではないけど見つけたらビックリするもの
酒石酸
ワインに多く含まれる有機化合物。
瓶の底やコルクにつくことがある
キラキラとした結晶みたいなやつですね。
白ワインにも赤ワインにも起こりえます。
ワインのダイヤモンドとも言われ
人体に影響はありません。
澱(オリ)
ワインに含まれる
ポリフェノールやアントシアニン
たんぱく質などが結晶化したもの。
ボトルの底にたまることがあるので
最後の一杯を注ぎ終わる際に
いっしょに出てくることがあります。
ヴィンテージが古い赤ワインに
よく見かけられますが白ワイン
(特にミネラル成分を多く含んだ上質なタイプ)
にも見られることがあります。
害はありませんが
ざらつきや苦みがあるため
澱がグラスに入らないように
注ぐことをおススメします。
長期熟成後の澱を多く含んでいそうなワインは
寝かせていたボトルを立たせた際に
液体に澱が舞うことがあるため
飲む3日以上前からボトルを立たせて保管し
澱を沈めてから抜栓をするようにします。
コルクの表面に生えたカビ
キャップシールを取った際に
コルクの表面部分が
カビていることがあります。
程よい湿度の中で保存されてたという
良い証拠であり
瓶の中まではカビていないので
ふき取ってふつうに開けて問題ありません。
還元臭/ビオ臭
コルクを開けてワインの香りを嗅いだとき
硫黄のようなニオイがすることがあります。
醸造の過程で酸素が欠乏し
それによって発生した硫化水素が
原因となっているケースです。
少し時間を置いたり
デキャンタをすると
この香りは消えていきます。
自然志向の生産者のワインに良く見受けられます。
にごり系
ノンフィルター(ろ過)で
ボトリングされたワインは
細かい澱が除去されないままとなっているため
ワインを注いだ際、濁っている場合があります。
品質には問題ありません。
まとめ【プロでもむずかしい状態不良の判断】
記事のポイントをまとめます。
- 液漏れや吹きこぼれたワイン
原因は高温での保存。
自分の管理がまずかった場合は早めに飲む。
手元に来た時にその状態なら返品可能。
- ブショネ(コルク臭)
原因はコルクについたバクテリア。
全体の5%はブショネなので
気づいたらコルクも一緒に返品。
- 熱劣化
原因は温度変化の激しい場所での管理。
ワインの味わいが変わるので
気づいたら返品。
- 飲み頃のピークを過ぎたワイン
原因は熟成の進みすぎ。
年代ものにはよくある事なので
割り切って楽しんでみよう。
- 状態不良ではないけど見つけたらビックリするもの
1.酒石酸
2.澱(オリ)
3.コルク表面に生えたカビ
4.還元臭/ビオ臭
5.にごり系
どれも品質には問題なく
むしろあったらラッキーな状態(個人的に)
液漏れとか見た目で判断できる状態は別として
ブショネとか熱劣化とかは
プロでも判断しづらいです。
最初から疑ってかかって
ワインの悪いところを探すより
こういうワインもあるんだと
その場を楽しむほうが
幸せなんじゃないかと思うのです。
(名言っぽく)
今回はこんな感じです。
ソムリエ試験を独学で勉強したいという方はこちらもご覧くださいねー!!