「ワインはブドウが育った環境によって味わいが変わる」
ってよく聞くけど、例えば海沿いで造られたワインと
山側で造られたワインはどう味わいに違いが出るのでしょうか。
ワインの造り方は比較的にかんたんなので
味わいの差がどこから来るかと言えばやはり
ブドウそのものの質だと言えます。
海沿いで育ったブドウと山側で育ったブドウでは
環境が違う分、味わいにもしっかりとした違いがあるので
解説していきましょう。
ワインの造り方に関してはこちら!!
この記事を見たら以下のことがわかりますよ!!
本記事の内容
この記事を書いている僕は、
バーテンダーとソムリエ歴は9年目です。
いま現在もソムリエ協会に
所属しているため情報は確かです。
ワインの味わいは造り手とブドウ品種で決まるんだー!!
という方はぜひこの記事をご覧ください。
*記事は3分くらいで読み終わります。
深堀りした解説とかは関連記事として貼っておきます。
【海と山では大違い?】ソムリエ解説!海のワイン・山のワインの特徴
次の2つのパートに分けて解説していきます。
- 海のワインについて
- 山のワインについて
それでは一つずつ解説していきましょう。
海のワインについて
海のワインで代表的なものは
フランスのボルドーやプロヴァンス、
スペインのリアス・バイシャスなどがあります。
気候・地形・造られるワインの傾向などを
解説していきます。
気候
陸地に比べて、
海は温まりにくく冷めにくいのが特徴です。
例えていうなら水の入った土鍋。
加熱してもすぐにはグツグツしませんが、
いったん沸騰すると火を消してもグツグツしてますよね。
そのため、気温の高低差のバランスが取れ、
昼夜の寒暖差が山岳地方に比べて小さくなり、
ブドウが熟しやすくなります。
四六時中吹き込む海風がブドウや葉を乾燥させ、
カビなどの病害を防ぐ役目を果たします。
地形
平野、丘陵地、急な傾斜の段々畑など形状は様々。
ブドウ畑の標高は0~200mほどと低いため
ブドウは完熟しやすく、
果実の糖度は高くなる傾向があります。
ワインの傾向
果実味はふくよかで酸味は穏やか。
ミネラル感や豊かで、アルコールは高め。
フレッシュな果実味を楽しむワインが多いです。
沿岸部のブドウ品種と代表的な銘柄
海から吹く潮風には塩分など
海のエッセンスが含まれています。
それらが果皮や土壌に付着し
ワインの味わいに影響を及ぼすため、
海のワインからは、塩味や磯の香りなど
ミネラルを感じられることがあります。
沿岸部のワインは山岳部に比べ、
一般的にフルーティーで若々しい
早飲みタイプのワインが多いですが、
ボルドーのように長期熟成が可能なワインもあります。
フランス・ボルドーのグラーヴ地区で格付けされている
「シャトー・スミス・オー・ラフィット」のセカンドワインです。
地中海性気候でしっかり熟したカベルネ・ソーヴィニョンと
メルローが50%ずつブレンドされていて
フルボディでありながら柔らかい口当たりが特徴の
女性にもおススメできるワインです。
2009年ヴィンテージではパーカーポイント100点満点を取得しています。
お手頃かつ満足度の高いワインなので
ウチでは迷ったらこれを勧めるようにスタッフに言っています。
スペインのリアス・バイシャスで造られた
アルバリーニョを使った白ワイン。
アルバリーニョの特徴であるグレープフルーツや
マンダリンオレンジの香りに加えて、
少し熟したパインのような香りもあって
非常にさわやかです。
サラダや魚介料理はもちろんですが、
個人的にはチーズに合わせたりしますね。
山のワインについて
山のワインで代表的なものは
フランスのアルザスやイタリアのピエモンテ、
アルゼンチンのメンドーサなどがあります。
気候・地形・造られるワインの傾向などを
解説していきます。
気候
一般的に標高が高くなるにつれて、
気温は低くなります。
陸地は温まりやすく冷めやすいので、
内陸であれば夜間はさらに冷え込みます。
例えていうなら鉄板ですね。
加熱したらすぐ熱くなりますが、
火を止めたらすぐ冷めちゃいますよね。
気温の低い年はブドウの生育が進まず未熟となり、
酸味が強く、青っぽいニュアンスの
ワインになる傾向があります。
山岳性気候は降雨量が比較的多いため、
標高の高い畑では病害の問題に
悩まされることもあります。
地形
山のすそ野に張り付くように
畑が作られていることが多く、
急な傾斜の地域では段々畑も見られます。
標高は300~1000mほどが主で、
それぞれの高さに適したブドウ品種が植えられます。
ワインの傾向
果実味は穏やかで酸味はシャープ。
骨格ははっきりしているものの、
繊細で複雑な味わい。
長期熟成できるワインも多く産出されます。
多くの山地では夜間に「山おろし」と呼ばれる冷たい風が
山から平地に向かって降りてくるため、
気温がさらに下がります。
山間部で昼夜の寒暖差が激しくなるのは
この山おろしがあるためです。
これはブドウの木自体にとって、
夏季は昼間の暑さから解放されますが、
収穫期には逆にストレスになります。
ワイン造りにおいては、
この寒暖差がワインに豊かなアロマと
エレガントな酸味をもたらすと言われています。
山間部のブドウ品種と代表的な銘柄
温かみのある果実味を感じられる海のワインに対し、
山間部は気候が冷涼なため、
山のワインはシャープな酸味やミネラルを感じます。
白ワインの場合は、
繊細な香りと芯の通った伸びやかな酸味が、
冷涼な気候をダイレクトに想起させ、
赤ワインの場合は、
硬質で冷ややかなタンニンとしっかりとした骨格が、
山間部の険しい環境を連想させます。
アルザスを語る時には避けて通れないほど有名な
アルベール・マンのリースリング。
フランスの最優秀生産者にも選ばれたほか、
ロバートパーカーに最高ランクである
5つ星の生産者として認定されている
実力派ワイナリーです。
レモンなどの柑橘系と白桃を思わせるような
ふくよかな香りが特徴です。
当ブログでは良く登場する「王のワイン」でありながら
めちゃくちゃ手に取りやすい価格のありがたやワイン。
酸もタンニンもしっかりしていて言うこと無しです。
前回紹介している記事はこちらです。
まとめ【海のワインは熟度が高く、山のワインはエレガント】
記事のポイントをまとめます。
- 海の近くで育ったブドウで造られたワインの特徴
寒暖差が少ないので、ブドウが良く熟す。
アルコール度数が高く、果実味が豊かで酸味はおだやか。
- 山の近くで育ったブドウで造られたワインの特徴
寒暖差からくるシャープな酸味が豊富。
硬質で冷ややかなタンニン、果実味はおだやか。
それぞれの特徴がわかっていれば、飲んだことのないワインでも何となくの味わいがわかりますね。
今回の内容はテイスティング試験にも役立つ内容になっていますので、試験を受ける人は頭の片隅に入れていてほしいですね。
今回はこんな感じです。
ソムリエ試験を独学で勉強したいという方はこちらもご覧くださいねー!!