【見た目が9割?】ソムリエ解説!色から見るワインのバリエーション

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色鉛筆の画像

ワインの色って

赤と白だと思ってましたが、

ピンクや最近では

オレンジなんかも耳にします。

どうやって

色を付けているのか知りたいです。

ユーサク
ユーサク

いまワイン界で話題の

「ロゼワイン」と

「オレンジワイン」ですね。

最近では多種多様な造り方をする

ワイナリーが増えてきました。

今回はワインにどうやったら

色がつくのか解説していきます。

ロゼやらオレンジに行く前に
白ぶどうを勉強したい方はこちら!!

【これだけは知っておきたい】ソムリエ厳選!!ワイン用白ぶどう4選
今回の記事は2次試験対策にもなる主要なワイン用白ブドウを4種類解説していきます。日頃ワインをたしなまれている人も今回取り上げられているワイン用白ブドウの特徴的な香りや味わいについて知っているだけでより楽しめるようになること間違いなしです!!

黒ぶどうはこちら!!

【これだけは知っておきたい】ソムリエ厳選!!ワイン用黒ぶどう4選
今回の記事は2次試験対策にもなる主要なワイン用黒ブドウを4種類解説していきます。日頃ワインをたしなまれている人も今回取り上げられているワイン用黒ブドウの特徴的な香りや味わいについて知っているだけでより楽しめるようになること間違いなしです!!

この記事を見たら以下のことがわかりますよ!!

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本記事の内容

この記事を書いている僕は、

バーテンダーとソムリエ歴は8年目です。

いま現在もソムリエ協会に
所属しているため情報は確かです。

オレンジワインってオレンジで造ったワイン??
という方はぜひこの記事をご覧ください。

*記事は3分くらいで読み終わります。
深堀りした解説とかは関連記事として貼っておきます。

【見た目が9割?】ソムリエ解説! 色から見るワインのバリエーション

ワインの画像

次の2つのパートに分けて解説していきます。

  • ワインの色の違い
  • ワインの色の造り方
    (赤・ロゼ・白・オレンジ)

それでは一つずつ解説していきましょう。

ワインの色の違い

白ワインは白ブドウから、
赤ワインは黒ブドウから
造られることが多いですが、
白ワインは黒ブドウからも造られます。

食用ブドウのマスカットと
巨峰をイメージするとわかりやすいですが、
白ブドウも黒ブドウも
果肉は同じような色をしています。

果汁は果肉に含まれる水分が主な構成要素で、
単純に果肉の実を絞ると
果汁の色は黒ブドウも白ブドウも
さほど変わりません。

色の違いは、
醸造の醸し(かもし)の工程の有無や
その時間の長さの違いです。

醸し(かもし)とは、、、
果皮と種子を一緒に浸漬し、
色素やタンニンなどの成分を抽出すること。
白ブドウを用いる場合は「スキンコンタクト」ともいう。

ワインのつくり方の画像

※画:ボクの妻

ワインの色の造り方

赤ワインや白ワインなどの色の違いは
醸しの時間によることが分かったところで
それぞれがどのような色の造り方をしているか
ざっくりまとめました。

白ワイン(白ブドウを使用)
白ブドウを除梗・破砕後に圧搾し、
果汁のみをアルコール発酵させる。
白ワイン(黒ブドウを使用)
除梗・破砕した黒ブドウを軽く圧搾後、
醸しを行わずに果汁のみをアルコール発酵させる。
醸造工程は白ワイン(白ブドウを使用)とほとんど同じ。
オレンジワイン
除梗・破砕した白ブドウを
十分に醸して色素を抽出する。
(スキンコンタクト)
皮の色素が薄いブドウ品種の場合、
長期間醸しを行ったとしても
十分に色づかないこともある。
ロゼワイン
除梗・破砕した黒ブドウを
短い期間だけ醸して色素を弱く抽出する。
黒ブドウを適度に圧搾して
うっすらと色素を抽出する製法もある。
赤ワイン
除梗・破砕した黒ブドウを
十分に醸して色素を抽出する。
醸しの時間が短いと色素の抽出が弱くなり、
淡い色の赤ワインに仕上がる。

それではここから
赤・ロゼ・白・オレンジワインの
色の造り方
細かく見ていきます。

赤ワインの造り方

赤ワインは色素を抽出するために、
果汁を果皮や種子と一緒に漬け込む
醸し(マセラシオン)の工程があります。

アルコール発酵のときに
発生する二酸化炭素により、
果皮や種子からなる果帽(かぼう)が
発酵容器の上部に押し上げられ、
果汁の上に浮かんでしまいます。

このまま放っておくと
果帽は果汁と接触しきれずに乾燥し、
色素などの成分を十分に
抽出することができません。

そのため、何らかの方法で
果汁と果帽を混ぜ合わせることが必要となり、
その代表的な方法が
ピジャージュとルモンタージュです。

それぞれの特徴と
メリットとデメリットを解説していきます。

ピジャージュ
特徴
発酵容器の果帽を棒などで
突き崩して混ぜていく方法。
昔は人間が発酵容器に入って
足で踏んで行っていた。
(現在でも手足で行っている造り手がいる)
メリット
強めの抽出が可能で、
色素含有量の少ない品種に適する。
果汁に対するストレスは比較的少ない。
デメリット
人力のため、人間にかかる作業負担が大きい。
発酵容器内にたまった
二酸化炭素による酸欠で
窒息事故につながることもある。

赤ワインのつくり方の画像

※上:ピジャージュの様子 下:ルモンタージュの様子 画:ボクの妻

ルモンタージュ
特徴
果汁をポンプとホースを使ってくみ上げ、
果帽の上に注ぎ混ぜる方法。
メリット
機械で行うため作業効率が良い。
密閉状態での作業も可能で、香りの揮発を抑えることができる。
デメリット
ポンプを通しくみ上げるため
果汁にストレスがかかる。
機械的に循環させるため
決まった流れができ、
均一な抽出をすることが難しい。

ロゼワインの造り方

ロゼワインは赤ワインに白ワインを
混ぜて薄めた物ではありません。

ヨーロッパ諸国では通常
「混ぜる」ことを禁止しています。
(安いワインとかはあり得る)

ロゼワインの
一般的な醸造方法「セニエ法」
白ワイン的な造り方「直接圧搾法」です。

それぞれの特徴を解説していきます。

セニエ法(赤ワインに近い製法)

ロゼワインのつくり方の画像

※画:ボクの妻

赤ワインを造る場合と同様に、
除梗・破砕した黒ブドウの
果皮や種子を果汁と一緒に発酵する。

数時間~数日後、
適度に色付いた果汁をタンクから引き抜き、
さらに発酵させて仕上げる。

直接圧搾法に比べ色を濃く抽出可能で、
味わいも赤ワインに近い。

セニエとはフランス語で
「血抜き」を意味する。

結局は醸し(マセレーション)をして
狙った色を目指す造り方なので、
最近では「セニエ」ではなく
「マセレーション」と呼ぶこともある。

直接圧搾法(白ワインに近い製法)

ロゼワインのつくり方の画像

※画:ボクの妻

黒ブドウを除梗・破砕して適度に圧搾し、
果皮からの色素で
うっすら色づいた果汁を発酵させる方法。

黒ブドウを原料に
白ワインの醸造方法で造る製法で、
色は比較的淡く、白ワインに近い味わい。

圧搾・発酵する前に低温でしばらく漬け置き、
果皮の接触時間を増やして
抽出を強める場合もある。

白ワインの造り方

白ワインは、黒ブドウでも白ブドウでも
一般的に果汁のみを発酵させます。

ブドウ品種により果汁の色が異なり、
それがそのままワインの色に現れます。

また、醸造・熟成過程で
色づく場合もあります。

木樽での発酵・熟成や、
フィルタリング(ろ過)の有無
シュール・リー(澱引きをせずに熟成させること)
などがそれにあたります。

木樽からの色移り

樽の画像

木樽で発酵・熟成させることにより、
木の色素がワインに移る。

木の素材、焼き加減、
新樽か古樽かで色合いの強弱は異なる。

色合いが濃くなると
無色から黄金色のほうに変化していく。

フィルタリング(ろ過)

ワインをフィルターに通すことで
微生物や澱などの固形物が除去され、
透明度が高まる。

目が微細なフィルターほど
澄んだ色合いになる。

シュール・リー(フランス語で澱の上)

澱と一緒に熟成させる方法。

澱にはアミノ酸が多く含まれているので
いっしょに熟成させることで
ワインに厚みやうまみが加わる。

熟成の期間が長いほど色合いが濃くなる。

オレンジワインの造り方

白ブドウを赤ワインの造り方と
同じように醸し発酵を行うと、
麦茶のような茶褐色のワインに仕上がります。

醸し発酵で造られたワインは、
麦茶色になることから
オレンジワインと呼ばれます。

ユーサク
ユーサク

オレンジで造られたワインではないので注意ですね!

果皮に含まれるアントシアニンが
オレンジがかった色合いをもたらし、
種子と果皮のタンニンが渋みとなります。

目隠しして飲んでみると、
軽めの赤ワインのようにも感じられます。

アンフォラ 伝統的なワイン造り

アンフォラの画像

アンフォラは粘土の壺で、
古代ローマにおいてはワイン、オリーブ、
穀物などを運搬・保存するための
主要な容器として用いられていました。

ワイン発祥の地と言われる
コーカサス(現在のジョージア)では
伝統的にアンフォラ(現地の言葉でクヴェヴリ)
によるワイン造りが行われてきました。

造り方は、足で踏みつぶした
ブドウの果汁を果皮や種子と一緒に、
土中に埋められたアンフォラに入れて
数か月置くだけ。

原始的な製法ですが、
酸化防止剤などを使用しなくても
長期保存が可能なため、
20世紀末頃から自然派の造り手を中心に
見直されてきました。

前に紹介した「ブルゴーニュで会いましょう」
という映画でも主人公が
ワイン造りに使ってましたね。

まだ見てない方は
こちらから見てみてください。

映画「ブルゴーニュで会いましょう」をソムリエ目線でざっくり感想文
ワインの勉強のモチベーションが上がらないあなたにおススメな映画をご紹介!今回は「ブルゴーニュで会いましょう」を取り上げてソムリエ目線でざっくり感想を書いていきます。原題名は「Premier Cru」プルミエクリュ。

まとめ【みんな違ってみんな良い】

白ワインの画像

記事のポイントをまとめます。

  • ワインの色の違い
    ワインの色の違いは、
    醸し(かもし)をするかしないか。
    それと醸しを行う時間によって変わる。

 

  • ワインの色の造り方
    (赤・ロゼ・白・オレンジ)

    白 → 醸しをしない
    オレンジ → 白ぶどうを醸す
    ロゼ → 黒ぶどうを少し醸す
    赤 → 黒ぶどうを醸す

お客様とワインを選んでいるとよく聞くのが
「ロゼはお子様が飲むものだ」とか
「オレンジワインはクセが強くて嫌い」など。

昔はロゼワイン=甘口だったらしいし、
自然派のオレンジワインは保管方法によっては
ワイナリーの意図していない味わいに
なってしまうこともあります。

しかし最近は
辛口スッキリタイプのロゼも増えてきましたし、
自然派ワインがブームになることで
ワインを取り扱う側の知識も高まり、
おいしいオレンジワインが
飲めるバーも増えてきている印象です。

個人的には
コース料理の時にボトル一本頼むなら
辛口のロゼか微発泡のオレンジワインですね。

アンジェリーナ・ジョリー、ブラットピット夫妻が
手がける辛口ロゼワイン。

フランスのプロヴァンス地方で造られ、
2013年に「世界NO.1のロゼ」になった実力派。

グラスに注げば綺麗だし、
料理を選ばない万能なワインです。

これぞ万能ワインだと思わせるオレンジ発泡ワイン。

泡でスッキリ、パインのような甘い香り、
果皮と種子の漬け込みからくる若干の渋み。

サラダでも魚でも肉でも
何でも来いって感じです。

2本とも前菜からメイン料理まで
ペアリングさせやすいんです。

何が言いたいかというと、、

一度の失敗で嫌いになるのは
もったいないということ。

ロゼワイン一つとっても甘口から辛口、
芳醇なタイプからキレのあるタイプまで色々。

合わないワインに出会っても
それも楽しめる
ワインラヴァーにボクはなります(笑)

今回はこんな感じです。

ソムリエ試験を独学で勉強したいという方はこちらもご覧くださいねー!!

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